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しかし、その後、30代後半〜40代前半といった本来の住宅購入適齢期の方が購入者の中心となり、大量供給前の購買層と大差はありませんでした」と話しています
むしろ、2004年から2005年には、生活の利便性を求める高齢者の購入も目立っていたそうです
ここまでの分析の結果、「1994年からのマンション大量供給時代に、団塊ジュニア世代がすでにマンションを購入していた」と指摘するのは、間違いだということがおわかりいただけたでしょう
となると、まさにこれから2012〜2015年のピークに向けて、住宅購入適齢期に差し掛かっている団塊ジュニア世代の住宅需要は高まる一方だ、と考えるのが自然です
かつて、バブル経済期の入り日で団塊世代が住宅購入適齢期を迎えて住宅需要を牽引した歴史と、同じことが再び起こるのではないかと予測されるのです
加えて、もっともボリュームの大きい団塊世代の動向も見逃せません
彼らは現在、定年退職期を迎え、子供もすでに独立しているケースが多いため、ファミリー向けの広い持ち家が不要となる人も増えてきました
団塊ジュニア世代のみならず、その親世代でも、コンパクトな住宅への住み替えが進んでいるわけです
今後5〜10年程度は団塊ジュニア世代の住宅購入と、団塊世代の住み替えが重なり、かつてない住宅需要が見込まれます
たしかに、現在はマンション買い控えが目立つ状況ではありますが、マスメディアの報道などの影響による消費マインドの落ち込みにしか、その要因は見いだせません
「マンション価格はもっと下がる」との報道を受けて、多くの潜在的需要層が「いい物件」や「掘り出し物」を求めて様子見しているのでしょう
ということは、消費マインドが上向きになれば、住宅需要は一気に表に出てくることが予想され、需要と供給のバランスからすると、マンション価格が今後底割れしていくとは考えられないといえるでしょう
第3章では、今後、団塊ジュニア世代を中心とする住宅購入適齢期の人口層が厚くなるなど、購入者が置かれた立場をもとに「マンションは値崩れしない」と予測しました
続いて、この事では供給者サイド、つまりマンション業者の置かれている状況をもとに、その予測が正しいか、否か、検証していきましょう
実は、消費者には見えないところで、マンションを建設して供給する側にも、マンション価格を下げられない事情があるのです
第1章では、本書が定義した不動産市況の流れの中で、第W期に比べて第X期では不動産価格の上昇に伴いマンション価格も上昇したと述べました
しかし、その上昇率はバブル経済期の上昇率に比べて小さいことや、上昇したのは主に東京23区の一部マンションの高額化に起因するもので、実需向けマンションの上昇率は15%程度であることがわかっています
それでは、そもそもなぜ、価格が上昇したのでしょうか?その理由のひとつが土地の値上がりです
実需向けマンションの用地の地価は、2005年下期ごろから上昇に転じ、多くのマンション業者は当初の事業計画を見直して土地の値上がり分を販売価格に上乗せしました
資料4-1「入札物件平均路線価倍率」は、あるマンション業者の内部資料で、国や都市再生機構、大手企業が売却した土地の最終入札価格の推移(2004年下期〜2008年上期)を記した貴重なデータです
数字はその土地の路線価単価に対して、入札価格がどのくらいの比率であったかを示しています
路線価とは、相続税や贈与税の額を算出するための評価基準であり、一般的に政府が発表する公示価格や基準地価よりも安く見積もられています
資料によると、2005年下期から上がり始めた地価は、2006年下期にピークを迎えています
このマンション業者は、バブル後に日本経済が低迷し、土地も下落した2004年に横浜市北西部のマンション用地を取得しましたが、「同じ場所でも、ピーク時は2004年の底値に比べて、一時的とはいえ2倍近くまで地価が上昇しました」と話しています
この時期、地価が上昇した背景には、ファンドや外資系企業が日本の不動産に投資した影響があります
投資型の不動産市場の拡大やそれに伴う不動産の流動化事業により、投資対象となるワンルーム型マンションと実需向けマンションという異なるタイプのマンションが競合する土地の価格が上昇したのです
また、同様に商業地などファンドが求めるビルと実需向けマンションが競合する土地の価格も上昇しました
なかには、販売価格を高く設定して高所得者向けのマンションに企画を変更するマンション業者もありましたが、実需向けマンションを手掛ける多くのマンション業者は、採算が合わないと見るや、早々に入札から手を引いたそうです
それにより、投資利回りがよい商業地やワンルーム型マンションに適した利便性のかなりよい用地は投資型の不動産業者が落札し、それ以外の土地で〓疋の規模以上の用地は実需向けマンションを手掛けるマンション業者が落札するというすみ分け現象が起きました
それでも、全体的な地価上昇には抗えず、実需向けマンション用地の地価もじわじわと上昇したのです
また、実需向けマンションを手掛けるマンション業者間による競合で土地の入札価格が上がったことも明らかになっています
地価の上昇は2005年下期から始まりますが、実はそれよりも以前、2002年ごろから実需向けマンションは慢性的な用地不足を抱えていたのです
1994年以降、首都圏を中心にマンションの大量供給が続く中で、2002年ごろには、大量供給を支えてきた生産拠点の海外シフトや大型社宅の売却が一巡し、企業による土地売却の案件が減少しました
一方、マンション業界(ここでは主に実需向けマンションを扱う業者を指します)は、大量供給による市場拡大の中で、既存マンション業者の事業規模の拡張はもとより、新規業者の参入も続き、競争が激化しました
その結果、実需向けマンションに適した用地が不足するなか、マンション業者同士による競合が激しくなり、地価がじりじりと上がっていきました
投資マネーの流入によって起こったミニバブルと、実需向けマンションを手掛けるマンション業者同士の競合という2つの要因により、第X期ではマンション価格が上昇したのです
しかし、ここでサブプライムローン問題が起きました
その余波でミニバブルを支えたファンドや外資系企業が日本の不動産投資から撤退しました
そして、上昇傾向にあった地価が下落し、新興の不動産業者の倒産が目立つようになったのです
倒産した不動産業者には、投資型マンションなどを手掛ける不動産流動化事業に注力したところが多く、同じ不動産業者でも実需向けマンションを扱うマンション業者とは性格が大きく異なります
投資型マンションのほとんどはワンルームタイプなど賃貸向けであることが多く、ファミリー層が居住する目的の実需向けマンションとは似て非なるものと考えています
無論、手堅く実需向けマンションを扱っていた不動産業者も無傷で済んだわけではありません
サブプライムローン問題に端を発した金融危機が見えない不安となり、消費マインドを冷え込ませました
それでも、ミニバブル時にマンション価格の値上がりを見込んで高く購入した土地や、すでに開発してしまったマンションを販売しなければならなかったのです

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